治療費ページを攻めのコンテンツに Column
クリニックのホームページに、治療費について掲載していますか?
歯科では自費診療をおこなうことも多く、費用が不安で受診やカウンセリングをためらっている方が少なくありません。治療費のコンテンツを作り込めば、受診の後押しになります。
今回は、治療費について紹介するページを作る意義や、具体的なポイントについてご紹介します。
自費診療をするなら治療費の情報は必須
歯列矯正、ホワイトニングなど、審美治療に興味を持つ方はかなり増えています。厚生労働省の調査では、歯列矯正を受けた患者数は平成29年と比べ、令和2年には3.6倍に増えていたそうです。
歯科クリニックは非常に数が多く、差別化が難しいとされています。実際に治療を受けるかどうか、どのクリニックで治療を受けるかを決める際、以下の3点はとくに関心が高いポイントです。
- 費用の見通し
- どのくらいの期間、頻度で通院するのか
- 効果があるか
近年、歯列矯正で「実質無料」などの謳い文句から費用に関してトラブルとなり、裁判に発展した事例がいくつもあります。費用について掲載することで、透明性が高く、安心して通えるクリニックであるという印象を持ってもらうことができるでしょう。
何度か通院が必要な場合は、総額だけでなく、通院のたびにどのくらいの支払いが生じるのかも明確になるとよいです。費用の目安がわかり、治療を前向きに検討することができます。
実際の施術例の写真(ビフォー、アフターの比較)もいくつか掲載しましょう。費用に対して効果が見合うものなのかを判断する材料となります。
※症例写真は費用や副作用・リスクについて記載すれば掲載可能です。
ただし、表現方法には注意が必要です。
「◯◯地域で最安」「今なら◯◯円お得」「◯回の通院で治療が完了」というような表現は、医療広告ガイドラインに抵触する恐れがあります。医療広告ガイドラインは定期的に改定されるので、その都度表現方法が問題ないか見直すことも大切です。
費用の支払い方法について
治療費の総額だけでなく、支払い方法も患者の大きな関心事です。「病院やクリニックは、現金払いしかできない」という印象をお持ちの方も少なくありません。現金のみなのかクレジットカードでの支払いができるのか、分割払いができるのかなど、具体的に掲載しましょう。
デンタルローンを利用できる場合は、ローンの内容やメリットなどを詳しく紹介する必要があります。デンタルローンの存在を知らない人も多いので、アピール材料になるでしょう。返済シミュレーションなども活用できると計画が立てやすくなり、治療を始めようという前向きな後押しとなります。
治療のモデルケースを提示して、費用の総額や分割にした場合の返済例、通院頻度や期間を共有するのも1つの方法です。
医療費控除についての情報提供
歯科治療の費用が、医療費控除の対象となる場合もあります。おこなう治療が医療費控除の対象になるかどうかについて、クリニック側から案内があると安心できるでしょう。
国税庁によると、以下の場合は医療費控除の対象です。
- 一般的な費用水準を著しく超えないもの
- 子どもの不正咬合の歯列矯正など、治療を受ける人の年齢や目的から見て治療が必要と認められるもの(容貌を美化するための費用は対象にならない
- 通院のための交通費(自家用車のガソリン代や駐車場代は対象にならない)
クレジットカードの分割払いやデンタルローンを利用した場合も医療費控除の対象となりますが、ローンの契約書や領収書を保管しておく必要があります。
まとめ
今回は、歯科クリニックのホームページにおいて、治療費について紹介することの意義やポイントをご紹介しました。
従来、治療費の掲載はネガティブな要素として敬遠されがちでしたが、昨今ではむしろ、好印象を与えるための攻めのコンテンツとして捉えられるようになってきています。
特に自費診療をおこなうのであれば、治療費についてしっかりと掲載し、ユーザーに選ばれやすいクリニックを目指しましょう。